身上調査と美術品

2000年の半ば頃から景気の回復基調に入った日本ですが、 美術品市場が活況を呈しています。

投資情報を提供する最大手のモーニングスター社で絵画投資情報 の掲載がスタートしたり、海外では絵画や美術品に集中して投資 するファンドなども現れてきています。

バブル経済に沸いた1990年前後に同じように美術品市場が盛り上 がったことがありましたが、現在は日本だけでなく、アメリカな どでも盛り上がっており、大規模な盛り上がりを見せているとの ことです。

さて、今回は身上調査と美術品について考えてみたいと思います。

絵画をはじめとする美術品への投資とは、つまり絵画に投資して 数年後~数十年後に売却し、いわゆる「含み益」を享受しようと いうものです。

ここ数年の美術品市場の活況により、莫大な値上がり益を手にする 人も現れています。

しかしながら、美術品への投資は容易なことではありません。

まず、大きな違いは流動性に関する問題です。例えば、株式や債券 であれば、証券取引所などを通じて売買をほぼ日常的に行うことが できますが、美術品などはそのような大きな市場がありませんから、 まず売り手・買い手を捜すことはそう簡単なことではありません。

また、絵画がどのような背景で価値や価格が上昇するのかを察知 することは、つまりそれらが上昇する前に買い込み、上昇したと ころで高く売るのかは、株式や債券に比べると非常に困難と言わ ざるを得ないでしょう。

例えば、あなたが美術品への造詣が深く、かなりの「目利き」で かなり早い段階である美術品を購入したとしても、別の誰かが いつ評価してくれるのかは、誰にも分かりません。

前置きが長くなってしまいましたが、最も重要なポイントは、そう した美術品を販売する人や会社が信用できるかどうかという点です。

本物だと思って、贋作を買ってしまったというのはよく聞く話ですし、 また本物だったが、実は盗作であったということもあり得ます。

そういった意味では、美術品への投資にチャレンジしたいという 人は、(余裕資金がある方だと思いますが・・・)、まず販売者で ある人や会社を調査(身上調査あるいは企業調査)を検討する価値 は十分にありそうです。

仮に、純粋に美術品をコレクトし、自分の楽しみとしているという 人であっても上の話は決して、「ヒトゴト」ではないでしょう。